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私について

 福祉系の大学を卒業後、社会人経験を経て、2019年言語聴覚士(ST)国家資格取得。一般病棟・障害者病棟にて病棟リハビリを行ってきました。現在は介護老人保健施設にSTとして勤めております。

 一部の患者様ではICU~一般病棟~リハビリ病棟への転院またはご自宅への退院を見届け、他の患者様では社会復帰のお手伝いをさせて頂き、また、別の患者様ではお看取りまでかかわらせて頂いた経験がございます。

 残念ながら小児及び、聴覚障害等一部の分野の患者様のリハビリを行うことはできませんでしたが、摂食嚥下機能障害、構音障害、失語症・及びその他高次脳機能障害、気管切開患者様、認知症の方々のリハビリを主に行って参りました。

 途中、私自身、脊髄に病気が見つかり、現在は両脚に麻痺があるため、松葉杖と車椅子を併用して生活しています。種類は違っても、同じ困難を抱える者として、精神面でも寄り添えることがあると思います。

 少しでも、ご利用様、そしてそのご家族様のお役に立つことができるよう、サポートするとともに、ご利用者様の『生きにくさ』を軽減させ、ヒトや社会とより多く結ばれていくようお手伝い致します。

~結~musubu 言語聴覚士 平戸 美華

言語聴覚士(ST)とは…

 言語聴覚士が国家資格となったのは1997年からで、1966年に国家資格となった理学療法士や作業療法士と比べるとまだまだ新しい資格です。「リハビリ」と聞くと理学療法士や作業療法士を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、言語聴覚士も同じ「リハビリ」を扱う仲間です。

 

 正式名称は「Speech(はなす)-Language(ことば)-Hearing(きく)Therapist(セラピスト)」といって、主に「ことば」を扱うスペシャリストです。それ以外にも昨今は「食べる(摂食嚥下)」ニーズが増えていることに随伴して、それに特化したセラピストも多くなってきています。

 つまり、「はなす」「たべる」等の障害を抱えた患者様に対し、専門的なリハビリを行う国家資格(者)なのです。

40代2児の母

好きなこと…子供の寝姿を眺めること、一人café

特技…細かい作業。以前は趣味でハンドメイドアクセサリー作ってました

*おまけ*こんな人です*

🐛

苦手なもの…もちもちしてるもの、虫

🍦

好きなもの…アイス

臨床での経験~患者様からの学び~

言語障害

 急性期病院より治療を一段落させ、リハビリ目的で転院してきた患者様がいました。前院からのお手紙を元に、早速ご挨拶(初期評価)へ伺います。
 患者様は「失語症」とともに「発声失行(患者様の場合はかすれ声しか出ない)」を始め種々の高次脳機能障害を併発しているようでした。
 挨拶等の簡単な日常会話は一見可能ですが、失語症のスクリーニングテストでは、日常のやり取りとは裏腹に、かなりの低成績…。身近な物の名前が言えなかったり、こちらが指定したものを選択できなかったり…。文章レベルの理解になると更に成績は、低下します。
 この時、実際のかかわりの中から目に見えていることと、患者様の中で起きていることの乖離に改めて気づかされました。
 看護師からは「声が出ないのは何故ですか」と。発声失行の説明で、何となく納得したようですが、患者様の場合は「軟起声発声(ハミング・優しい音)」から、本来の「声(かすれない)」を誘発することができました。
 私たちのような「ことば」の専門家がいることで、患者様の「本当」を他職種へとつなぎ、正しい理解を得ることで、声掛けを継続した結果、少しずつ物の名前の理解や声を出す機会が増えました。またそれにより、ことばでのコミュニケーションが僅かずつですが、円滑となったとのお話も頂きました。

摂食嚥下機能障害

 肺炎にて入院してきたものの、入院当初は極軽度の嚥下障害でした。
 しかし、経過の中でどうしても少量の酸素を手放すことができず、飲み込みの状態を確認しに行くたび、軽い咳払いや声質の変化(湿性嗄声:喉に水分や食べ物が残っている時にきかれる)が絶えないのです。看護師や医師にも「誤嚥(食べ物が気管側へ入ること)」の可能性を示唆しましたが、極軽度の嚥下障害は病棟では見逃されがちです。
 しかし、そんな状態のため、肺炎もなかなか改善されず…。全身状態・ADLも徐々に低下。
 それでも、その患者様、そしてご家族様は、「たべること」に執着され、言語療法のリハビリの時間内のみ医師から食べることを許可されたため、セラピストがかかわれる限り、患者様の希望に沿った嚥下リハビリを提供してきました。
 患者様は、羊羹や餡子・カステラがお好きだったので、羊羹は少量ずつのお湯でつぶしペースト状に。餡子はとろみ水と混ぜ適度な粘度へ。カステラは牛乳等と混濁し喉詰まりしにくい形状へと変化させ、患者様にとって適度な姿勢・量を評価しながら介入しました。
 その後も懸命にリハビリし、他職種の協力もあり、患者様・ご家族様の希望通り嚥下リハビリの可能な病院へと転院して行かれました。その後、ご家族様から感謝の連絡も頂き、私自身達成感を得ることもできました。

認知症

 元は骨折で入院された患者様。認知症の既往はありましたが、入院前は落ち着いて過ごされているようでした。
 しかし、入院生活というものは認知機能の低下を助長させるきっかけとなってしまうもの。患者様は、骨折の手術に伴い、バルーンカテーテルを留置することとなりましたが、手術後より「尿意」の訴えが絶えなくなってしまったのです。
 言語聴覚室へお連れして、インターネットを通じ故郷の風景を見ながらお話(回想法)すると、10分程度は気が紛れ、落ち着きを取り戻すものの、なかなか長くは続きません。
 ある日、逆の発想で、敢えてお手洗いへお連れしてみました。すると、便座に座りながら、家族や嗜好のお話など、言語聴覚室で過ごされている時より、落ち着いてお話をすることができたのです。
 患者様が認知症だからといって、訴えから意識を逸らすだけではなく、寄り添い環境設定を行うことも必要なのだと痛感。その後も、何度かお手洗いでリハビリを行ったことを記憶しています。
 正直認知症の患者様は多種多様で、かかわりは難しく、手探りの事も多いですが、この患者様から学んだように、一人ひとりに寄り添い、「やってみる」ということも必要ですよね。
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